日本人の英語はアジア最下位レベル

これだけ英語スクールがあるにも関わらず、何故、日本人の英語レベルは未だ低いのでしょうか?英語の必要性を既に30年以上も前から謳われているのに、30年たった今でさえ、何も変わっていません。

 

先日、仕事の関係でフランス人とドイツ人の意見に触れることがあったが、彼らが日本へ旅行へ行った時、日本の某大手の航空会社を使って日本へ来たが、中で働いているスチュワーデスの英語レベルが非常に低くて、最低限の会話しかできないレベルだとのことだった。

 

これでは、フライト中に何か問題が起きたら非常に困る!、という話をしていて、そこから、日本の国はとても進んだ国なのに、何故英語はアジア最低レベルなのか??、という話まで発展した。 日本人の英語レベルが世界と比べて非常に低いことは認識していたが、本当にアジア最低なのか、調べてみた。

 

2015年のデータによると、日本人のTOEICスコアの平均点は、最下位のマカオ、インドネシア、モンゴルなどに続き、下位6位で513点。ちなみに、お隣の韓国、中国はそれぞれ670点、632点。アジアのトップはフィリピンで、691点となっている。TOEICスコアを見ただけでも、日本人の平均点がいかに低いかが分かる。

 

また、アメリカ大学留学に必要なTOEFLスコア平均の昨年のデータを見ると、日本はなんと、最下位のタジキスタン共和国に次いで下位2位の71点、カンボジアと同位にランクされており、これではアメリカ留学もままならないレベル。ちなみにトップはシンガポールの96点でかなり高い。(ちなみに、TOEFLスコアの満点は120である。)

 

これらの結果を見ると、日本人の英語レベルがほとんど上がっていないことに愕然とする。

 

それに対して、日本の文部省も何ら抜本的な対策がとれないでいる。外国人教師を小学校などで採用することで英語力アップを図ったつもりなのであろうが、聴覚が既に固まってしまった小学生からでは、子供達は聞きながら学習することはできない。既に英語が聴きとりづらい耳になってしまっているからだ。

 

また、英語がろくに満足に話せない教師がいることにも、英語ができない生徒を生み出すのに拍車をかけている。日本の教師は、英検1級レベル、また、TOEFLも満足に教えられない教師が多く、私も学生の頃にTOEFLの勉強には大変苦労した。で、結局、日本でTOEFLを勉強するのを諦め、直接アメリカに渡り、2か月間集中して勉強をしてスコアを一気に上げたのである。

 

当教室には幼稚園児、小学生の生徒さんもいるが、幼児の場合、聴覚が非常に発達しているので、英語の発音はほぼ完璧に聴きとれ、覚えも非常に早い。ところが、6歳から英語を始めた子は、何度英語の発音を聴いても正しく聞き取ることができない。それで、こちらから発音の仕方を教える必要があるのだが、そんな中でも、耳の良い子はすぐに真似できる。けれども、そうでない子は習得に若干時間がかかる。

 

しゃべれないのは聞き取れない、聞き取れないのはしゃべれないので、当教室では発音矯正を徹底してやるのだが、これが小学校高学年から初めて英語を習い始めると、更に発音の矯正が難しくなる。思春期も重なって恥ずかしさも出て来てしまい、それが英語学習への障壁にもなってしまってなかなか上手くできない。

 

ここで、恥や外聞も捨てて一生懸命毎日勉強する人は、年齢に関わらず、ものすごく伸びていくのだが、多くの日本人の場合、「まちがったらどうしよう」「恥ずかしい」という心理的要因が非常に強く、何があっても頑張る、周りからどう思われても平気、と思えるバイタリティのある子供が少ない。

 

あともう一つ。これは私が強く感じていることであるが、日本では確か、小学校4年生くらいからローマ字を勉強する。英語の発音やつづりもままならないうちに、ローマ字が入ってしまうと、これに惑わされ、英語がますますできなくなってしまうと感じている。何故なら、英語の発音はローマ字とは全く違うものであり、ローマ字の発音はそもそも英語の発音ではないからだ。結果、英語のつづりの苦手な子供が増えてしまい、子供は単語を覚えるのが必死になり、また、新しい単語が出て来ても推測して読むことができない。

 

日本人が英語が下手なのは、この様に、教師や学校の教育制度だけでなく、心理的要因など様々な原因も複雑にからんでいるため、なかなか解決しない。また、英語学習者の多くは、英語スクールなどに通っていても、真剣に英語をなんとかしよう!、という努力をしていない人が多い。

 

ピアノの習得もそうであるが、英語の習得も、はっきり言って大変である。特に英語は、日本人にとって大変なのである。本当にバイリンガルになりたい、せめて英語が流暢に話せるようになりたい、と思うなら、毎日真剣に普段から努力をすることが大事で、それができないようなら、英会話スクールなどで高いレッスン料を払っても、無駄になるだけなのである。

2017年04月22日